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重箱の隅

好きなことだけ。

『Holidays』関連 目次

『Holidays』 目次 1.名前で観る(読む)『Holidays』 はじめに・1/2/3/4/5・おわりに2.雑感:「再生」のモチーフとしてのアオサギ3.雑感:ローズの「声」4.雑感:ラルフの「言葉」とその限界5.雑感:結末について6.雑感:「椅子」について7.…

雑感:ラルフの「言葉」とその限界

ローズがラルフからも離れていった理由を、つらつらと考えてみました。まぁ、彼女があこがれた「鳥」のように、すべて後に残して飛んだのだ、といえばそれまでなのだけれど。読者(観客)は、終盤までラルフが圧倒的優勢と思っていたでしょうね。実際、夫の…

雑感:ローズの「声」

ローズを演じる保坂知寿さんは、元劇団四季の看板俳優であり、ミュージカルの世界を中心に活躍されてきた方なのですが、「歌うこと」を封じられた今回の作品で、演出の栗山氏から、様々な「声」を出すことを要望されたそうです(『シアターガイド 6月号』よ…

雑感:「再生」のモチーフとしてのアオサギ

”「名前」で観る(読む)”と言いながら、着地が「アオサギ」なのは、おかしいじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・。原作を斜め読みしていた時点では気にもとめなかったことが、初日の舞台を観て、いろいろと繋がり始めたんです。 最…

雑感:あるいはラルフの名誉のために

実は、原作と比べて、最もギャップがあったのが、ラルフだったんですね、自分には。外見的なことではなく。というのも、舞台のラルフは、あまりにも純朴でピュア!(そこがいい、というご意見も多数おありでしょうが)僕は普段、とてもシャイで。本当に恋し…

雑感:小道具(ペンダント・花・本・絵)

1.ローズのペンダントについて。地人会新社のfacebook、稽古中の記事の中で、ローズのペンダントトップの画像がありました。4月18日の投稿記事これが、いつの段階で「クロス」のペンダントに変更されたのかは不明ですが、敬虔なキリスト教信者であることが…

雑感:結末について

ラルフが引用したデイ・ルイスの詩『磁性の山』は、この作品の基調をなすものであり、重要なキーワードとして「石筍stalagmite」という言葉が出てきます。「 しかしこの家には ひとつだけ、あなたが決して共有できない 否定することも入ることもできない部屋…

雑感:永島さんと熊。

永島さんが演じたアーサーに関して、名前の由来を辿って、「熊」をひっぱりだしたのだけれどこのレポートを読んだ永島さんのファンの方は、別のことを思い出して、笑っていらっしゃったかもしれませんね。なんの偶然か、2012年に永島さんがこんな役を。(M氏…

雑感:「椅子」について

この舞台にとって、最も重要な小道具は何かと言えば、「イス」なんじゃないだろうか。仮フライヤーでは、三脚の椅子がデザインされているし、完成版のフライヤー(大好きです。色合いもモチーフもこの芝居にぴったりで!)から姿を消した後も、パンフレット…

「名前」で観る(読む)『Holidays』 ~おわりに~

Anda heron rose…*7) そして、一羽のアオサギが飛び立った・・・。 客電がついた後、がらんとした舞台を眺めながら、ふと気がついた。この椅子だらけのコテージの所有者であり、隠遁生活の提案者。舞台には登場せずとも、むしろ、この物語の「場」そのものとし…

「名前」で観る(読む)『Holidays』(5)

そして終演。再び差し込んだ光の中、もはやローズでもなく、いまだ保坂さんでもない何者かが、すっと音もなく立ち上がったとき時、ふと冒頭のローズの言葉が思い浮かんだ。 アオサギが飛んでいくのを見たの。 思えば、ローズの衣装は、まさにヨークシャーの…

「名前」で観る(読む)『Holidays』(4)

ローズに生きる希望を与えたかに見えたラルフは、しかし最後の最後、アーサーを前にした際の態度で、ローズに不信感を与えてしまう。「あまり自分の主張をしなかった」ラルフに対して、「bloody nobleものすごく気位が高い」と同時に、「gray(=grey)曖昧…

「名前」で観る(読む)『Holidays』(3)

続けて姓を見てみよう。母の死を知らせる病院からの電話で明らかになったローズの旧姓は、Plumridge(plumスモモ・ridge畝)。スモモが縦に並んで植えられている畑のようなイメージ?そこにバラのとりあわせは、いささかちぐはぐに思える。母親とも妹とも少…

「名前」で観る(読む)『Holidays』(2)

一見ありふれた名前に見える三人の役名を、語源まで遡りイメージを辿ることによって、私の中に一つの仮説が生まれた。原作者は、「名前」を単なる小道具としてではなく、この作品の構造自体にまで関わらせようとしているのではないか。 まずは、ファーストネ…

「名前」で観る(読む)『Holidays』(1)

原作を一読し、実際の舞台を観て感じたのは、原作者ジョン・ハリソンは意図的に、「名前」に重要な役割を与えているということだ。それはまず、ラルフとローズのシーンで明らかになる。打ち解け合っていく中でファーストネームを名乗り、互いにRで始まること…

「名前」で観る(読む)『Holidays』~はじめに~

5月10日。赤坂レッドシアターにおいて、本邦初演の舞台『Holidays』の幕が開いた。たった三人の登場人物による会話劇が生み出す濃密な時空間は、重いテーマにもかかわらず、日常生活のワンシーンのように、時に軽やかだ。新聞、個人ブログ、Twitter等をはじ…